接客業で避けては通れないのが、「クレーム対応」です。私も新人CAの頃は、毎回クレームにならないように、とドキドキで仕事に向かっていました。でもそうやって、ドキドキ、びくびくしながらお客様の前に立っていては、もらわなくていいクレームまで引き寄せてしまいそうです。
クレーム対応、誰でも慣れないうちはちょっと怖いもの。まずはクレーム対応の基本を押さえましょう。

クレーム対応基本ステップ1 傾聴し観察する 

「とにかく聴く」まずはこれです。お客様の言葉から、お客様が何に怒っていらっしゃるのか、何を求めているのかを正確に理解することがクレーム対応のスタート地点です。どんなクレームであっても、まずはお客様のおっしゃっていることを聴くことが第一、そして、聴きながらお客様の様子、表情をよく観察してください。言葉に表されない状況や気持ちを、表情やしぐさから読み取るのです。例えば「大丈夫です」という言葉、いろんな意味で、いろいろな状況で使いますよね? そのときに、本当に問題ない、という意味なのか、もういいです、という意味なのか、その真意を正確に捉えないと、クレームが余計に大きくなってしまいかねません。

また、話したいことを好きなだけ話すことで、気持ちが少し落ち着き冷静さを取り戻していただくことも「聴く」ことの狙いです。お腹に抱えているものを出し切ってもらい、クールダウンしてからのほうが、こちらの声もよく届いて会話が進めやすくなります。

クレーム対応基本ステップ2 裏側を読み取り、背景を想像する

ステップ1でよく聴き観察すると、言葉の裏側にある気持ちが見えてきます。そこで、さらにその気持ちに至った背景を想像し、どうしたらその気持ちがほぐれるのか、満たされるのかを考えます。
例えば機内で実際にあったことですが、満席のエコノミー席で、搭乗されるなり「カウンターで通路側を希望したが断られた。どうしても通路側にかえてくれ。」とイライラした様子でおっしゃったお客様がいらっしゃいました。その方の席は窓側で、その日は満席予定だったため、担当CAは「申し訳ございません。本日は満席の予定ですので、お席の交換は致しかねます。もし通路側に空席があった場合にはご案内します」と定型の回答をしたところ「それはさっきも聞いた!」とお怒りになったのです。近くで見ていた他のCAがお客様に近寄って「お客様、よろしければお話を聞かせてください」とそのお客様がなぜ通路側を希望されているのかを慎重に伺いました。するとお客様は飛行機が苦手で、緊張からよくトイレに立つから通路側がいい、窓に近い席は気持ちが落ち着かない、ということを話してくださいました。
このCAがどうして理由を聞いたかというと、ただどうしてかな、と思ったのではなく、カウンターで断られて、それでも再度依頼するというところに、何かあると引っ掛かり、そこからの質問だったのです。

想像するというのは、やみくもにすればいいというのではなく、こうかな?何かありそう、と仮設を立てて、それを確認しながら会話を進めると少しずつうまくできるようになります。

クレーム対応基本ステップ3 寄り添い共感する

お客様の状況やご立腹の理由がわかったら、お客様の立場に立って考えると、多くの場合自然と共感できます。ただし、それは一個人として共感できる、ということ。接客のプロとして、お店の人間として、立場上受け入れられないこともあります。そんなときでも、「共感」します。それは受け入れる、受け入れない、できる、できないの話ではなく、ただ「お客様のおっしゃること、想いは理解できます」という気持ちを相手に示すのです。
自分の気持ちをわかってくれた、これだけで、人はかなり嬉しく穏やかな気持ちになれます。ステップ2の例でも、他のCAがお話を聞かせてください、と寄り添って行ったところで、すでにお客様の気持ちは「聞いてくれる人がいた」と嬉しくなっていたはずです。

クレーム対応基本ステップ4 提案する

共感してお客様の気持ちが少し穏やかになったところで初めてお店として、プロとしての見解を話します。もちろん話すといっても一方的に話したり、単に可否を伝えるのでもなく、お客様の要望とお店でできることの間の着地点を見い出して、提案します。その際も寄り添う気持ちを忘れずに! ここで大事なのは、事態を早く収めようとして、安易に譲歩しないこと。お店として、プロとしてのポリシーや信念をきちんと持って対応します。そこがなあなあになってしまうと、その瞬間は収めたとしても、最終的にお店の信用やファンをなくすことにつながります。

クレーム対応基本ステップ5 分かり合う

こちらが伝えたことが、お客様にきちんと意図したように伝わっているか、受け入れていただけそうか、様子をよく観察します。お客様に何でも質問してもらうように促してもいいでしょう。そしてご理解、ご納得していただけた折には、心からの感謝の気持ちを伝えます。場合によっては、ご不快な思いをさせてしまったお詫びをすることも大切です。
クレームを経て、その後お店のファン、顧客になっていただくお客様はとても多いです。クレームの裏側には期待があります。クレームをおっしゃるお客様は、心の底ではそのお店のファンになりたい方だということを意識しておくのもいいかもしれません。

まとめ

接客業で必須の「クレーム対応」の基本、接客業の、クレーム対応の、と言っていますが、この5ステップをもう一度見直してみると、「円滑な人間関係を築くコミュニケーション術」と言ってもいいと思いませんか?

そうなんです!接客業では、知らず知らずのうちに、高いコミュニケーション力が身についているのです。そう思えば、クレーム対応も逃げ腰ではなく、果敢にチャレンジしようと思えませんか?
コミュニケーション力アップに最高の環境である接客の現場で、どんな場所でも、どんな仕事でも必ず必要となるコミュニケーション力を磨けば、最強の仕事人になれますよ。

 

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