接客業に従事しているみなさん、接客は好きですか?
いつも猫の手も借りたいほど忙しいし、お客様はあれこれ言ってくるし、店長は厳しいし、大変なことばっかり!と思いながら仕事をしていませんか?たまたま条件があったから仕事しているだけ、なんていう方ももしかしていらっしゃるかもしれません。でも入口は「別にすごくやりたかったわけでもないし」という方でも、お客様の前に立ったら、仲間と同じ『接客のプロ』。プロとして見られるからには、ぜひ考えていただきたいこと、それが今日のテーマ「接客業で大切なこと」です。

プロとしての自覚と誇りを持て

どこの世界でも「プロ意識を持て!」と言われますが、サービス業・接客業では、社員教育の場でよく言われることです。
なぜか? それは、入社したばかりの新人でも、週3日しか働かないアルバイトでも、お客様とは1対1の勝負、やり直しがきかない現場だからです。

たとえば、調理担当など裏方の仕事は、新人が肉の焼き加減を失敗したら、無駄は出るにしても、焼き直してお出しすれば、お客様からみたらプロのサービスが提供できています。でも接客担当は違います。お客様の前に出たら、昨日入社の新人も、10年選手も「その場で」プロとしてのサービスが求められます。もちろん、初めは簡単な仕事から担当することになりますが、それでもすぐにすべてのサービスをプロとして提供できるように求められます。

では、10年選手と昨日入った新人で、明らかに手元の所作や動きが違う場合、どこで補うか。
それが、この「自覚と誇りを持つ」というところなのです。もちろん、10年選手と比べてしまえば違いはどうしても出てしまいますが、それでもこの「プロの自覚と誇り」を持ってお客様と接すると、おどおどした表情は落ち着き、ゆったりとした気持ちでお客様の前に立つことができるのです。

新人さんが「プロの自覚」を持つための秘訣は、「お客様より知っている」状態になることです。お店のこと、メニューのこと、料理のこと、マナーのこと、そして食事を楽しむこと、などこれらを知っている、ということを自己認識することで、サービスマンとしての自覚が植え付けられます。さらにお客様と話したり、お客様のことを思って行動するという接客の仕事の楽しさを充分楽しむことでやりがいや誇りを感じることができます。

常に3手先を考えて動け

お客様の先を行け、気持ちを察して動け、とよく言われますよね?では実際にはどうやってそれを可能にするか。
それは【観察と予測】を繰り返すのです。とにかくお客様をよく観察します。表情、指先や口元の動き、スピード、醸し出す雰囲気、そのようなものをよ~く観察し、「次はきっとこうリクエストがくるな」「もうすぐこれが必要になるな」「あれ?何か気になることあるのかな?」などとお客様の気持ちを予測して行動につなげてください。そうすることで、お客様は「この人タイミングいいなあ」「このお店、居心地いいな」と思ってくださるのです。

言われて対応するのでは、接客者としてはまだプロの領域には入っていません。そして、1手だけではなく、2手3手先を読んで行動をとれるようになると、お客様と心が通じ合うのを感じて、接客が加速的に楽しくなってきますよ。

とことん仕事を楽しむ

仕事を楽しむために、大切なことって何だと思いますか?
いろいろな考え方がありますが、私は「知る」ことだと思っています。知らないものはそもそも興味がわかないので、楽しむ以前の話なんです。

知ることは大きく2つ。1つ目は、自社の商品知識、それに関連するサービス知識や一般常識、社会情勢です。
例えばイタリアンレストランだったら、お店の料理やドリンクのメニューすべて、素材すべてや調理方法に至るまで、可能であればすべて試食して味を知っていること。そしてお店では出していないイタリア料理やワインについて、さらにはイタリアという国や文化についてなど、関係するものついて、見分を広げていくのです。イタリアが終わったらフランス料理の知識、日本料理の知識を学んでもいいでしょう。はたまた、レストラン経営、という観点で勉強したり、新聞を読んで世の中のニュースに精通することもいいですね。

自社内のサービスだけを知っていても、お客様との会話は膨らみません。それはお客様はあなたのお店以外のたくさんのお店で食事をしてサービスを受けているからです。接客は最終的には自分自身が商品になりますので、自分の商品価値を高めるためにも、幅広い知識は不可欠です。

2つ目は、お客様を知ること。
お客様のバックグラウンドや状況から、それに関連する知識をつけることです。お店の立地や業態によって、どういうお客様が多いのか、常連のお客様は何をしている方なのか。そういったことからサービスやお店の内装、商品開発のヒントはたくさん得られます。

CAをしていた頃の話です。飛行機には仕事で海外に行かれる方、旅行で行かれる方、家族に会いに行く方、勉強で行かれる方、本当に様々な目的の幅広い年代の方が乗っていらっしゃいます。皆さん機内では食事を楽しまれること、ゆっくり寛ぐことなどを楽しみにしていらっしゃるので、それにお応えしようと、メニューやワイン、カクテルの勉強をいつも欠かしませんでした。それに加えて、日本経済から政治、目的地の情勢や地理、観光スポット、買い物情報、おいしいレストラン情報、電車やタクシーの使い方まで、常に様々な情報を蓄えて乗務していました。お客様へのサービス、利便性のためであるとともに、自分自身がお客様と楽しく会話したかったからです。
あとで振り返って、何が仕事で楽しかったか思い出すと、お客様とのこういった何気ない会話で盛り上がったこと、というのが意外に多いのです。きっとお客様も同じように、覚えていてくれているのではないかな、と思います。

まとめ

3つの「接客業で大切なこと」、私はCA時代、常に先輩から言われて、自分でも意識していました。その中でも、「仕事を楽しむ」ということは、先輩から言われる頻度はほかの2つに比べて圧倒的に少ない(笑)ので、特に自分で意識していたことです。でもこの「楽しむ」が一番大切で、すべての始まりだと思います。知ることで楽しさを感じ、知識を深めることでよりお客様の気持ちに深く届くサービスができるようになります。
接客を通して、知見を広げ、人間性を深め、仕事の楽しさを感じる。素敵な仕事だと思いませんか?

 


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